聖書に関するQ&A


 Q.30 自分が禁止し追放した霊媒によってイスラエル王サウルが呼び出した預言者サムエルは、本当にサムエルの霊だったのか?


 A.呼び出されたのは、預言者サムエルの霊ではなく、悪霊でした。サタンとその配下の悪霊は光の天使にも変装することができます。

 ★質問にある出来事は、Tサムエル28章に出て来ます。その主要部分を以下に記し、この箇所を学んで、現代に生きる私たちにとっての教訓を得たいと思います。
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聖書
 
3さてサムエルはすでに死んで、イスラエルのすべての人は彼のために悲しみ、その町ラマに葬った。また先にサウルは口寄せや占い師をその地から追放していた。4ペリシテ人が集まって来てシュネムに陣を取ったので、サウルはイスラエルのすべての人を集めて、ギルボアに陣を取った。

 5サウルはペリシテ人の軍勢を見て恐れ、その心はいたくおののいた。6そこでサウルは主に伺いを立てたが、主は夢によっても、ウリムによっても、預言者によっても彼に答えられなかった。7サウルはしもべ達に言った、『私のために、口寄せの女を探し出しなさい。私はその女に尋ねよう』。しもべ達は彼に言った、『御覧なさい、エンドルに一人の口寄せがいます』。

 8サウルは姿を変えて他の着物をまとい、二人の従者を伴って行き、夜の間に、その女のところに来た。そしてサウルは言った、『私のために口寄せの術を行って、私があなたに告げる人を呼び起こしてください』。9女は彼に言った、『あなたはサウルがしたことをご存じでしょう。彼は口寄せや占い師をその国から絶ち滅ぼしました。どうしてあなたは、私の命にわなを掛けて、私を死なせようとするのですか』。10サウルは主を指して彼女に誓って言った、『主は生きておられる。このことのためにあなたが罰を受けることはないでしょう』。

 11彼女は言った、『あなたのために誰を呼び起こしましょうか』。サウルは言った、『サムエルを呼び起こしてください』。12女はサムエルを見た時、大声で叫んだ。そしてその女はサウルに言った、『どうしてあなたは私を欺かれたのですか。あなたはサウルです』。13王は彼女に言った、『恐れることはない。あなたには何が見えるのですか』。女はサウルに言った、『神のような方が地から昇られるのが見えます』。14サウルは彼女に言った、『その人はどんな様子をしていますか』。彼女は言った、『一人の老人が昇って来られます。その人は上着をまとっておられます』。サウルはその人がサムエルであるのを知り、地にひれ伏して拝した。

 15サムエルはサウルに言った、『なぜ、私を呼び起こして、私を煩わすのか』。サウルは言った、『私は、非常に悩んでいます。ペリシテ人が私に向って戦を起こし、神は私を離れて、預言者によっても、夢によっても、もはや私に答えられないのです。それで、私のすべきことを知るために、あなたを呼びました』。

 16サムエルは言った、『主があなたを離れて、あなたの敵となられたのに、どうしてあなたは私に問うのですか。17主は私によって語られた通りにあなたに行われた。主は王国を、あなたの手から引き離して、あなたの隣人であるダビデに与えられた。18あなたは主の声に聞き従わず、主の激しい怒りに従って、アマレク人を打ち滅ぼさなかった故に、主はこの事を、この日、あなたに行われたのである。19主はまたイスラエルをも、あなたと共に、ペリシテ人の手に渡されるであろう。あすは、あなたもあなたの子らも私と一緒になるであろう。また、主はイスラエルの軍勢をもペリシテ人の手に渡される』」。

 20その時サウルは、ただちに、地に伸び、倒れ、サムエルの言葉のために、非常に恐れ、またその力は失せてしまった。その一日一夜、食事を取っていなかったからである」。 Tサムエル28:3〜20


T.サウル王が口寄せ(霊媒)に頼るようになった事情
 
★為政者(政治家)とオカルト(占い、まじない、新興宗教の類)とのかかわりは古今東西、深いものがあります。聖書の中では、サウル王だけでなく、ヨセフがエジプトの宰相になってから、主との交わりを失い、占いに走っています。
 ★フランスのドゴール元大統領やアメリカのレーガン元大統領なども占い師とかかわりがあったと聞いています。我が国の政治家たちも、我が国の政権の一角を占める新興宗教所属政党の国会議員ばかりでなく、諸新興宗教にかかわりを持つ国会議員は大勢います。
 ★一瞬先は闇の世界の政治をする人々は、霊的何者かにすがりたいという心境になるのでしょう。

 A.口寄せ(霊媒)とは何か
 ★申命記18:11の「口寄せ」をキング・ジェームス版聖書はA consulter with familiar spirits(親密な関係にある霊と語り合う者)と訳しています。すなわち、悪霊を呼び出して、悪霊の助けにより、依頼者の希望する故人の霊を呼び出して、霊媒師の口を用いて語らせる秘技と言えます。
 ★しかし、実際は故人の霊を呼び出しているわけではなく、悪霊が故人に成り済まして、霊媒師の口を通して語ります。この口寄せ(霊媒)の働きは、悪霊と交わり、悪霊の力を借りることであり、主なる神に憎まれ、聖書の中で厳重に禁止されている技です。

「あなたがたのうちに占いをする者、卜者、易者、魔法使い、呪文を唱える者、口寄せ、かんなぎ、死人に問うことをする者があってはならない。主はすべてこれらの事をする者を憎まれるからである。」(申命記18:10〜14)

「男または女で、口寄せ、または占いをする者は、必ず殺されなければならない。すなわち、石で撃ち殺されなければならない。その血は彼らに帰するであろう」

(レビ20:27)


 
B.サウル王が口寄せ(霊媒)に頼るようになった事情
 ★ペリシテ人がイスラエルと戦おうと軍勢を集めてやって来て陣を敷いたので、イスラエル王サウルはなすべきことを知ろうとして、預言者や大祭司に尋ねましたが、祈りによっても夢によっても主は答えてくださらなかった。この時、主はすでにサウルを捨て、ダビデを王として選んでおられました。サウルがアマレク人との戦いにおいて、主の命令に逆らったからでした。
 ★そこでサウルは、自分がすでに国から絶ち滅ぼしていた口寄せに頼ることに決め、エンドルの口寄せ女のところへ、王であることが分からないように変装して訪ねて行きました。

U.サウルの前に現れたサムエルが預言者サムエルでなく、サタンであったと判断する諸理由
 ★旧約聖書のこの個所だけで判断した場合、故人サムエルの霊が呼び出されたと解釈せざるを得ないかも知れません。14〜16節で旧約聖書そのものが「サウルはその人がサムエルであることを知り」とか「サムエルは言った、『云々』」とか言っているのですから、そうとしか思えません。
 
★実際、福音的、聖書主義的立場の有力な聖書注解書の中にも、「聖書が間違いなく、サムエルが言ったと書いている以上、呼び出された霊はサムエルの霊だったに違いない」としているものも幾つか読みました。
 
★しかし、創世記と民数記とで動物たちが人間の言葉を語った個所の聖書の表現に注目してください。創世記3:1〜5に「ヘビは女に言った」と三回書いてあります。民数記22:28〜30には「ロバはバラムに言った」と二回書いてあります。しかし、現実は創世記の場合は、サタンがヘビに人間の言葉を語らせたのであり、民数記の場合は、聖書がはっきり書いているように、「主がロバの口を開かれた」のであり、ロバを通して主が語られたのでした。
 ★ですから、聖書が「サムエルが言った」と書いているのだから、霊媒女の口を通して語ったのはサムエルだったに違いないと考えることは、ヘビやロバがそれぞれの頭で考えて言葉を発したとすることと同様、おかしな聖書解釈だと言わざるを得ません。


 ★また、ここでサムエルの霊とされている者が語る事柄が真実である点はどうでしょう。悪霊は偽りの霊で、いつも偽りを語るのではないだろうか、という疑問が湧いて来ます。しかし、悪霊が真実を語っている例もあります
(使徒行伝16:16〜18)。また、T列王記22:19〜23を見るとそこには、偽りを言う霊が主の許可を得て地上に遣わされています。
 ★従って、サムエルに変装して口寄せ女に現れた悪霊も、「真実を語ること」を条件に主なる神にその「語り」を許容されたものと思われます。
 ★さらに、新約聖書の光に照らしてこの個所を読むと、真相が見えて来るのです。

(1)サタンは光の天使に変身する事が出来ること
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「しかし、驚くには及ばない。サタンも光の天使に偽装するのだから」(Uコリント11:14)。
 ★この口寄せ女が、サムエルの霊を呼び出そうとすると、神のように神々しい姿をした一人の老人が地から昇って来るのを見ました。彼女が驚いて大声を上げたのは、サムエルの姿を見たからではなく、変装していた仕事の依頼者がサウル王自身であることを、その時、霊によって知らされたからです。
 
★また、この時、霊を見たのは口寄せ女だけであって、サウルが霊を見た訳ではありません。サウルは女のその霊についての描写と女に乗り移った悪霊の造り出したサムエルの声色を聞いて、サムエルだと信じ切って地にひれ伏したに過ぎません。

(2)その神々しい老人は天から降りてきたのでなく、地から昇って来ていること(13節)
 ★サムエルが死後の世界から本当に呼び戻されたとするなら、天から降りて来なければならないのに、この霊は地から昇って来ています。地の奥底はゲヘナ(地獄)の象徴です。

(3)神の人サムエルの霊であるなら、サウルに悔い改めを迫ることはしても、この霊のように一方的にサウルを断罪して、彼を絶望に陥れるようなことはしなかったでしょう
 ★サタンの仕事は、人をだまし、盗み、殺すこと
(ヨハネ8:44)です。サウルは変装して、口寄せ女のもとに頼って行きましたが、これに対して、サタンは預言者サムエルに変装してサウルをだましました。そして、神の栄光を盗み神々しい姿をして、サウルの死を予告して、彼を自殺に追い込みました(Tサムエル31:4)

(4)口寄せ(霊媒)、魔法、占い、まじない、偶像礼拝を聖書の神が憎んでおられるのは、これらのわざがサタンと交わり、自らを神のみ前に汚し、自らの魂を滅ぼす結果を招くからです
 ★サウル王は神への不従順の結果、王の地位から退けられ、王位がダビデに移されたことを知らされても、悔い改めてダビデを国外追放状態から回復させることもせず、あくまでも王位に執着しました。そして、主に手を尽くして伺いを立てても、何の答も得られないと知るや、口寄せというサタンの技に手を出しました。
 ★サウルのように、頼るべき天地の主に頼らず、偽りと盗みと殺しの主であるサタンの伎にたよるなら、誰もが暗黒の滅びの道に落ち込むこと間違いありません。

(5)主が「口寄せ(霊媒)はサタンの技だから避けよ」と言っておられるのに、霊媒女が呼び出した霊が本物のサムエルなら、サタンが神の許可なしにあの世から死者の霊を勝手に呼び出せると言っていることになり、主自らが、偽りを真実としていると主張することに等しく、主に対する冒涜となってしまいます。

V.現代に生きる私たちにとってのこの出来事の教訓
(1)闇の世の主権者サタンは架空のおとぎ話の世界のキャラクターではなく、聖書が認める霊的実在者であることを知るべきこと

 ★聖書は「全世界がこのサタンの支配下にある」という証言をしています。

「私たちは神からの者であり、この世全体が悪い者(単数形/サタン)の支配下にあることを知っています」(Tヨハネ5:19)。

 ★この世では悪人が必ずしも、正当に裁かれるとは限りません。世界的大事件のいくつかを見れば分かります。ケネディ暗殺事件の真犯人や背景に関する真相は封印されたままです。日本の戦争責任者の一部は裁かれても、当時国家元首だった天皇の責任は不問にされ、広島・長崎に原爆を落としたアメリカ側の戦争犯罪は罪に問われないまま60数年が過ぎています。
 ★この世の小悪人たちばかりでなく、大悪党たちの背後にいて彼らをそそのかしている闇の世の主権者サタンの存在を知らないと、世の中の出来事の真相は何も理解できません。

(2)偶像礼拝を教える在来宗教・新興宗教や偽キリスト教(異端)などの宗教を始めとして、占い・まじない・魔法・霊媒等のサタンに起源を持つ、霊的風習に惑わされないように十分気を付けるべきこと
 ★キリスト教会のホームページの広告欄に「占いの広告」が載っていたりするのを見かけます。これを見ると、そのホームページの制作者(キリスト教会)の聖書についての無知を嘆かざるを得ません。
 ★単なる手先の巧みな技術である手品は余興として楽しめますが、最近テレビで見かけるマジック・イリュージョンの類は聖書に出てくる魔法使いの伎
(出エジプト記7:11,12)を思わせる、不気味なものが数多くあります。
 ★古来の魔法に属する秘技はサタンがかかわっていますから、キリスト者はこれらに関わりを持たないことが肝心です。これらに関わる者らは、霊的聖さを失い、信仰を失う危険もあります。

聖書
 「また信者になった者が大勢来て、自分の行為を打ち明けて告白した。それから、魔術を行っていた多くの者が、魔術の本を持ち出して来ては、皆の前で焼き捨てた。その値段を総計したところ、銀五万にも上ることが分かった。このようにして、主の言葉はますます盛んに広まり、また力を増し加えていった」。 使徒19:18〜20

 「サタンの、いわゆる、『深み』を知らないあなたがたに言う」。黙示録2:24



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キリスト紀元2013年 8月 26日更新


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