聖書に関するQ&A


 Q.35サムソンはなぜ信仰の勇者としてへブル書11章32節に名を上げられているのか

A.
 ★サムソンは遊女と交渉を持ち、女性の甘言に弱く、信仰の人としての慎みのない直情径行の人と言う印象を多くの聖書読者はもっています。

 
サムソンとその時代
 ★サムソンは、約束の地カナンに入ったイスラエル民族をヨシュア亡き後指導した(オテニエルからサムエルに至る)士師達のひとりです。
 ★このサムソンが生きた士師の時代は、イスラエルが強大な異教国ペリシテに支配され、ペリシテというパン種に汚染されて、主なる神への純粋な信仰が失われ、神の国の一国民としての共同体意識が薄れ、「各自が、自分の目に正しいと見るところを行う」(士師記21:25)牧者を失った羊の群れ状態の時代でした。

 
サムソンの使命とその成就
 ★神の国イスラエルの、この様な霊的暗黒時代に、「小さな太陽」(サムソンという名の意味)としての使命を帯びて、彼は生まれる前から御使いからのみ告げによって予告されたナジル人(神への献身者)として生まれてきました。彼の使命は「イスラエルをペリシテから救い始める」こと(13:5)でした。
 ★サムソンの使命は具体的には、敵国ペリシテの人々を可能な限り大勢殺すことでした。それが、生まれる前から、神に託された彼の使命でした。すなわち、サムソンは偶像礼拝者ペリシテのもとに派遣された神からの死刑執行人でした。
 ★イスラエルの人々は、ペリシテから武器を奪われ、鉄を精製して武器を造ることも禁じられていました。それで、サムソンはある時、武器として手にしたロバの顎の骨で、ペリシテ人とひとりで戦い、一人で千人を倒しました。
 ★その後、サムソンはペリシテ人の女デリラとの愛に溺れ、それを伝え聞いた、ペリシテの指導者たちはデリラをそそのかして、サムソンの怪力の秘密を探らせました。指導者たちが約束する大金に目がくらんだデリラは、執拗な泣き落とし戦術でサムソンを悩ませ、女性に弱いサムソンはついに自分の怪力の秘密を明かし、「ナジル人の印である長髪を剃り落されたなら、怪力は失われ、並みの人とおなじになる」と打ち明けました。
 ★その結果、彼はペリシテの手に落ち、両目をえぐられ、牢屋の中で、青銅の足かせをはめられ、石臼をひく奴隷の仕事を強制されました。
 ★その後、ペリシテ人の指導者たちは、彼らの神ダゴンを祭る祭りを開催し、会場となる大会堂に国中のペリシテ指導者を集め、「我らの神ダゴンは、敵サムソンを我らの手に渡された」と言って偶像ダゴンをたたえました。その時、サムソンは大会堂の中でペリシテの指導者たちの前で戯れごとをさせられ、笑いものにされました。
 ★そこで、サムソンは、盲人となった彼の手引きをしていた若者に頼んで、大会堂の二本の大黒柱に寄りかからせてもらい、主に「主よ、私をもう一度強くして、私の目の一つのためにもペリシテに報いさせてください」と祈って、「ペリシテ人と一緒に死のう」と柱に寄りかかると、その会堂はペリシテ人たちの上に倒れかかり、彼が生前に倒した敵の数より多くの敵を殺しました。

 サムソンが信仰の勇者に数えられる理由
 ★士師記の中に登場する士師の中で比較的優等生であるオテニエルにはたったの4節しか費やされていないのに(士師記3:9〜11)、「不良」士師とみなされるサムソンには第13章から16章の4章にわたる多くのスペースを聖書が費やしているのにはそれなりの理由があります。
 ★サムソンは同胞たちが、みな敵のペリシテの前に腰抜けとなり、神の国の国民としての自覚も誇りも、信仰も失っていた中で、一人主からの使命を自覚し、孤軍奮闘して敵と戦い続け、ついに自分のいのちと引き換えにペリシテの有力な指導者たち多数を打倒しました。その働きによって、イスラエルに優れた指導者サムエルやダビデ王の出現のための下地を造り、その道を開きました。
 ★彼は、自分の愚かさと罪のためにナジル人としての怪力と両目を失いましたが、絶望して自暴自棄にならず、最後の最後まで、神からの使命を自覚してそれを果たしました。
 ★彼は一粒の麦として死ぬことによって、神の国イスラエルの国民としての使命といのちを貫き通しました。
 ★彼は、その死によって、私達キリスト者に、自分の肉に死ぬことによって、霊に生かされる救いの道を示しています(ローマ6:1〜14)。
 ★聖書に登場する人物の中で、私たちの模範として完全な人物は、イエス・キリストの他にはいません。そのイエス・キリストは「聖書は私のことを語っている」(ヨハネ5:39)と言っておられます。すなわち、聖書の中の信仰の勇者たちはキリストの燦然(さんぜん)たる栄光の一部を反映しているのですから、彼ら信仰の勇者の月や星々のような輝きを通して、私たちはキリストに習う道に精進して行けるのです。

 「私がキリストにならう者であるように、あなた方もわたしにならう者になりなさい」Tコリント11:1


URL http://31church.net
キリスト紀元2013年 6月 14日公開


21
ゴスペル よい知らせ キリストをあなたに @31church.net