2話 お金の話

 原稿料1枚1万円、デビューした新人の私が12年前に小学館からいただいた額です。
 今も新人はそのくらいの額だと聞きます。講談社はもう少しいいとか、秋田書店はもう少し下とか・・・。

 原稿料を上げるにはどうするか。
 人気がとれれば編集部の方から上げてくれることもあれば、強気にマンガ家の方から上げてくれとお願いすることもある。
 私の場合は仕事する出版社が変わる度に、前にいただいた原稿料より千円アップで原稿料が上がっていった。
 これはどこでもそうらしい。前にいたところより千円アップで・・・というのが一般的みたいだ。
 さて驚いたのがコミックバンチ編集部。新人マンガ家に1枚2万円出すと聞いた。これは2001年6月にバンチの編集者から直接聞いたので確かだと思う。
 「それくらい出さないとやっていけないでしょ。」とそのバンチの編集さんはおっしゃった。

 確かに連載するのに何がお金かかるかっていうと、アシスタントに払う人件費。原稿料だけでは赤字だと知り合いのマンガ家からもよく聞く。単行本の印税がなきゃやってけない。

 それは出版社もそうらしい。
 秋田書店のヤングチャンピオン編集部から聞いた話では、雑誌だけ売れても出版社としては赤字、単行本が売れなきゃやっていけないと・・・。

 大手の出版社では単行本1冊分の原稿がたまると、とりあえず単行本にしてくれる率が高いけど、ヤングチャンピオンでは「これは売れる」と判断されたものでないと単行本にならない。
 しかも1巻を出したが、それが売れてないと2巻目が出ないこともある。連載は続いているのに、途中で単行本がもう出ないのである。かなり厳しい。

 そんな状況の中、確実にある程度売れる見込みのあるものが連載企画を勝ち取る。
 小説等で話題になったものや、テレビドラマ化や映画化されたもので、すでに売れているものを原作にしてマンガにするのである。
 他のコミック誌も、もちろんやっているが、ヤングチャンピオンはとりわけ顕著だ。実際、単行本の売れ行きもいいらしい。
 もちろん、かわいい女の子が描けてエッチな内容だと、やはり売れる。

 というわけで今、調子の良い秋田書店から今度、新しく青年コミック誌が2002年4月頃に創刊されるとの情報が・・・。

 さて、画の質で売れるかどうかも関わってくるから背景を描いてもらうアシスタントの存在は大きい。ストーリーマンガの連載にはアシさんが必要だ。週刊連載であれば最低3人、4人そろえば安心。隔週連載では2人いないと苦しい。

 賃金は、12年前の相場は1日(もちろん徹夜あり)1万円だった。(いちおう背景をまかせられるレベル)
 もちろん技術のある人や大御所のマンガ家についている人はもっともっともらっていた。ボーナスもたくさん出る。

 今の相場は新人マンガ家が背景をまかせられるアシさんに支払う金額は1日1万5千円ぐらいらしい。(ヤングチャンピオンで連載している私のマンガ友達は時給千円だという)
 食事は普通マンガ家持ち。

 それでもアシさん不足で困っていると結構聞く。(コミックバンチでは編集部が画を手伝うスタッフを全体的に集めているので困ることはなさそうだ。)

 でも他人の原稿に背景入れるのって難しい・・・。逆に他人にどういう感じの背景を描いてほしいか説明するのも難しい。ああ・・・そんなこと言ってる間に〆切が・・・。

 その上、原稿料が振り込まれるのはずっと先(原稿が雑誌に掲載される次の月くらい。掲載される2週間くらい前が普通の〆切日)
 なのにアシさんへ払う賃金も用意しなければ・・・

 賞をとった時、担当編集から「賞金はとっといておくように」と言われた。そう、マンガの仕事って結構お金がかかるのだ。

 だから確定申告の時期がきたら、税務署へ申告して、原稿料から源泉されたお金を返してもらおう。かなりの額がもどってくる。
 私は数十万円取りもどしたことがある。
 ほほほ。                           

                             2001年 12月 記

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