たった5分でわかる!CWN問題☆


■なぜ「サイバー・ウォッチ・ネットワーク」が問題なのか、初めて触れる方にはわかりにくいかもしれません。
■というわけで、私なりに考える問題点を整理してみました。
☆一応これまでの情報収集でわかったことに基づいて書いてみましたが、誤認や不備があるかもしれません。その際はご一報いただければ幸いです。
☆なお引用文は一切手を加えていませんが、改行位置を変更しています。(99.3.10)
※後日注:これはCWNが発足して一ヶ月後くらいの文章のため、監視の対象となるコンテンツなど、その後の状況変化に対応していない部分も多い。ただ根本的な問題点は何ら変わっていないと考えるため、あえてこのまま掲載する。(2000.11)

■覚えておこう!登場人物(団体)
警視庁生活安全総務課(以下「警視庁」と略)
日本ガーディアン・エンジェルス(以下「GA」と略)
サイバー・ウォッチ・ネットワーク(以下「CWN」と略)


■その前に:CWNとは何か?

■「1999年2月16日、サイバーウォッチネットワークが結成された。
                  …さて、このCWNって何者?」


平成11(1999)年1月18日付け警視庁文書によれば、

  >市民の手によってネットワークを監視し、違法・有害な情報を
  >プロバイダ・関係機関に通報することにより犯罪被害の防止・
  >少年の健全育成を図ろうとの機運が高まり、
  >ボランティアグループ(仮称「サイバー・ウォッチ・ネットワーク」)
  >によるネットワークモニター制度が発足することとなった


とある。 具体的には警視庁とGAが連携して、

 ○33人の監視メンバー(ボランティア)が監視活動を行い、
 ○違法・有害情報を発見した場合、
  GAが運営する「情報集約センター」に情報集約
 ○「情報集約センター」が、情報発信者の契約プロバイダ等に警告
 ○数度の警告を無視した場合、警察に通報
 ○また急を要すると判断した場合は直ちに警察へ連絡

という活動を行うのである。

■ここがヘンだよ!!CWN

■なぜ本人に、直接警告しないのか??

CWNの活動方針でもっとも理解に苦しむのは、なぜか警告が本人(また団体・企業などを含む表現主体)に対して行われず、いきなりプロバイダへ行われることである。

言うまでもなく、表現の責任を負うのは表現している本人である。その当事者をすっぽかし、いきなりプロバイダにイチャモンをつける、という行為は要するに「そのページを潰す」ことが目的である。規制に反対の人に対して「議論を行う用意はある」というのは、しょせん偽善的な“ポーズ”にすぎない。


■まやかしの「民間団体」=実権は警視庁にある!

マスコミ報道によれば、GA・小田代表が警視庁に「警察と協力し、インターネット監視活動をしたい」と持ちかけたのがCWN発足のきっかけとされる。しかし、実際には33人のボランティア監視員は警視庁側からの推薦である。またGAが開設していた掲示板の書き込みによれば、判断基準・運営方法もすべて警視庁が作成したガイドラインに準拠するらしい(注1)。…ここに大きな疑問が生まれる。
「一体、GAはCWNの中でどういう役割を果たしているのか?」

仮に“悪質な情報”を提供するHPがあった場合、以下のような流れになる。

  [警視庁によって選出された]ネット監視員が
  [警視庁の規定するガイドラインに基づき]悪質なページと判断、通報。
        ↓
  GA内「情報集約センター」が通報をまとめ、
  該当ページをプロバイダに警告し、“善処”を要望。
  それを無視して継続する場合は警視庁に通報。
  [これも警視庁による「運営マニュアル」に沿った行動]
        ↓
  通報を受けた警視庁が、、、“何らかの処置”をとる。

つまりCWNの中でGAは、単なる事務機関としての機能しか持たないわけだ。何が“悪質・有害な情報”なのか、判断し、警告・通報させているのは警視庁なのである。
だが警視庁が、違法でもない情報に対し「これは有害コンテンツだ!削除せよ」と警告を行うのは、刺激が強すぎる。ゆえにGAという民間団体を利用し、間接的な「検閲」を行っているのではないだろうか。

(ちなみに)99年3月現在、警察庁は「コンピュータ不正アクセス禁止法案」を巡って郵政省と主導権争いを続けている。つまりサイバースペースでの利権獲得をめぐる「抗争」だ(あぁ卑しい…)。こうした動きも併せて考える必要があるだろう。そんなものに私たちを巻き込まないで欲しい、と切に思う。


■不明瞭な判断基準

日本国憲法や各種国際条約等によって保障されている「表現の自由」だから、ある特定の表現を権利の対象外と決定し、ブッ潰すには、広く国際的にも通用する、それなりの考え・論理ってものがあるはず。しかしCWNは公にそれを説明していない。
例えばCWNは「違法ではないが有害な情報」を規制対象とすることを公言しているが、では具体的にそれがどのような「情報」なのかについては、明らかにしていない。
これでは「有害」の解釈によって、検閲が恣意的に(誰かに都合のいいように)行われてしまう恐れがある。まぁ実権を警視庁が握っているわけだから「誰か=警視庁」なワケだけど。

(ちなみに)それぞれの表現についてCWNが独自の、確固たる判断基準を有しているのであれば、警告しようが何しようが結構なのだが(あくまで民間団体としての力でね)、プロバイダに対して警告し、削除を要求・強制する理由にはなりえない。やりすぎると威力業務妨害罪って犯罪もありますし。


■責任主体がはっきりしない

さて上で述べたアイマイな論理で、私やあなたの表現(例えばHP)が削除される、という実害を受けた場合、当然その責任は誰かが負うべきである。しかしCWNの場合、その責任所在がアイマイなのである。私たちは一体誰に向かって反論すれば良いのか?
さらに彼らは自分たちの責任をあやふやにした上、プロバイダにそれを押しつけようとしている。これは「プロバイダへの警告」という点で明らか。つまり、削除という決断をするのも、手を下すのも(形式上は)プロバイダだから、万一論争や訴訟が起きてもCWNはその責任を問われないのだ。手を汚さないで相手を殺す、上手いやり方を考えましたね>CWN。

(ちなみに)プロバイダはNTTと同じような「電気通信業者」であり、利用者の発信する情報内容まで責任を負わない。また日本国憲法では「通信の秘密を守る」義務を定められているつまりこういった件について「関与してはならない」存在なのではないだろうか?

■最後に

上記の文中、私は「規制は不要」という主旨のことを一言も書いていない(もちろん基本的には規制不要の立場だが)。CWNの存在は“それ以前”の問題だからである。要するに彼らは、まったくスジを通していない、ということ。であるからして、規制に賛成の方とも問題認識が共有できる可能性がある、と思っている。

CWNの皆さん、検閲に精を出す前にもう少しおべんきょうしたらどうでちゅか〜?ばぶばぶ〜


■注:
注1)99.2.24付けの読売新聞「小田啓二氏インタビュー」によれば、

   >テレコムサービス協会が昨年二月に制定した「公共の安全または善良な風俗を害する情報」という
   >ガイドラインに基づいて行う

  と、路線を変えたらしい(これについてはまた別のページで詳細な検証と批判を行う予定)。
  検閲ガイドラインまで「警視庁の思うがまま」という批判が功を奏したか??
  ただしこのガイドラインもアイマイ過ぎて、何とでも解釈できるから意味がないんですけどね。