ネットサーフィンと保護
By Rogier van Bakel
Wired magazine, Jul 1996 translated by Der Angriff
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昨年夏、コリン・ハッチャー(Colin Hatcher)は、受け持ち区域を広げた。ガーディアン・エンジェルスの一人のボランティアとして、故郷のロンドンで、ニューヨークで、ロサンゼルスで路上犯罪の兆候を探してきた。しかし、それからコリンと、ボランティアの犯罪と戦う人々の連帯を創設したカーティス・スライワ(Curtis Sliwa)は、もう一つの大都市が善男善女を必要としていると決めつけた。インターネット、彼らは「世界最大の都市」と呼ぶ。

インターネットへの注目を始めたのは、カーティスが電子メールを受け取ってWABCラジオショーでそれについて述べたときだった。オンラインでいやがらせを受けているとか、ポルノサイトを偶然発見したとか、下心は神のみぞ知るでサイバースペースで子どもたちと仲良くしようとする他人がいるという不平を言って、心配したり自暴自棄になっているコンピューター・ユーザーたちからのメッセージがいきなり押し寄せたのだ。サイバーエンジェルスに入ろう。

「ここには問題があるとわかったんだ」とコリンは思い出す。そのとき、ただ1台のコンピューター――PowerBook150だけからプロジェクトを開始した。「人々は、我々に何かしてほしいと期待する手紙をよこしてきた。だから、カーティスと俺は話し合った。『やろう』ってね。『ヘイ、この町には犯罪問題があるんだ』とモスクワから電話が来たときのように――我々はそこに行って、支部の基礎をつくった」

1年後、サイバーエンジェルスはすでに1000人以上になっていた、とコリンは言う。彼らの任務は、オンラインの礼儀作法と敬意を助長し、不作法・悩ませるもの・スパム・民族差別・憎悪メールと戦うためにできる合法的なすべてのことである。また、ソフトウェア海賊行為、コンピューター・ウィルス、テロリズムの証拠を報告するともいう。予想どおり、グループは主に、電子時代の半神話的お化けであるオンライン・チャイルドポルノを追いかけると誓っている。サイバーエンジェルスとはだれか――貴重な公益事業をなしている市民か、それとも発狂したボーイスカウトか?

聖者か破壊活動家か?

 コリンをすぐに好きになるのはたやすい。時計を気にする能力が大いに欠けている――私との約束に4日連続で遅れてきた――が、人なつっこく誠実そうな見かけをしている。疲れを知らない論争相手でもある。37歳でマーシャル・アーツの専門家で、英語と演劇を専攻していた元歴史教師の彼は、長い議論にうれしそうに打ち込み、あまりにも多くの空手チョップのようなエンジェルスの批評をかわしてしまう。

 コリンは最近、オンライン・パトロールをそれほどやっていなかった。新しいメンバーと、彼らが送ってくる資料を扱うのに忙しかったのだ。アッパー・ウェスト・サイドの広々としたアパートであるガーディアン・エンジェルスのニューヨーク事務所で会ったとき、ある新しいメンバーについての疑惑を語った。そのボランティアをジョンとしよう。ジョンはネット犯罪者追跡に異常なほどの熱心さを示していた。ジョンはもしかしたら、まさにもしかしたらだが、破壊活動家なのかもしれない。コリンは新しいメールのリストを下にスクロールした。「こいつは、彼が見つけた素材を我々に殺到させているんだ。こいつはいかなる皮肉や敵意についても反撃を書いてこないから、未解決ということにしておこうと思っている。しかし俺は常に監視し続けている。我々を廃業させるには、毎日20通も送ってくるジョンのような奴が200人もいればいい。そうすれば扱えなくなる」

 コリンが偏執的になるのも仕方がない。サイバーエンジェルスは麻痺させるような電子メール爆弾を受け取ってきた。そして、カーティス・スライワの名前を騙る者がガーディアン・エンジェルスの友人と敵に、不快な写真を送信している。ありがたいことに、コリンの経験では、そのようなやっかいごとよりは、救いの手を伸ばしてくれる人々から受け取る多くの申し出のほうが勝っている。

 サイバーエンジェルになるには? 手順はこれ以上簡単にはできない。簡単な申込書に記入して、一般任務宣言への同意を示し、それから入る。年齢の要求もない。14歳でもネットお巡りになれる――そして、10歳の妹も参加できるのだ。

エンジェルスは、ボランティアがどのくらいの時間オンライン接続するかも問わない(コリンは、いっしょに楽しく働いているコンピューターのない数人のボランティアが最初に装備されたと話していた)。訓練は提供されない。「何も必要ではない」とコリンは主張する。「我々は、生活を大きく変えることを要求していない。日々のオンラインでの仕事に伴って、目を開いておいてほしいと思っているのだ。そのためには何の特別な技能も必要ない」

 そうだ、サイバーエンジェルスのリーダーは、コンピューターを知らない子供が警察官を演ずることをオンラインのベテランは楽しまないかもしれないことはわかる、と言った。「この問題について、いくつか激怒があるだろうと予測している。人々は言っているよね、『それは彼らのやるべきことなのか?』と。俺の感じでは、インターネットの専門知識なしにサイバーエンジェルになれるかもしれない。俺らが現実の路上パトロールをしたいという誰でも採用したみたいにね。聞けよ、インターネット・アカウントを持っていない奴でも、インターネット上のチャイルド・ポルノを心配する完全な権利を持っている。それは犯罪に関わっているのだし、彼らはそれを助長するからだ。尋ねられたら、完全に合法だと答えるね」

 彼の集団に加わることを断られるような少数者や特殊な人がいるのか、コリンに聞いた。「今のところ、誰も追い払っていない。でも、たとえば、『私はKKKのメンバーで、外国人を嫌っている。連中を滅ぼすためにネットで連中を捜したい』というメールを送ってくれば、もちろん『貴様は我がプロジェクトに似合わない』と送り返すね」


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